こんな時どうする?

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【第14回】

  • 建築紛争

    住宅の瑕疵建売住宅トラブル建築請負契約トラブル

    購入した住宅が欠陥住宅だったので、建築業者に苦情を言いましたが、修繕に応じてくれません。どうしたらよいでしょうか。


Q 私の新居として、念願の一戸建て住宅を購入しました。ところが、いざ引き渡しを受けてみると、室内の壁紙の継ぎ目が目立ったり、フローリングがきしんだり、タイルの目地が不揃いだったり、駐車場の土間コンクリートはひび割れてくるし、散々です。建築業者に苦情を言っても、瑕疵(かし)といえるほどではないとして、修繕に応じてくれません。どうしたらよいですか?

購入した建物に瑕疵(その種類の物として通常有すべき品質・性能を有しないこと)があった場合、注文住宅のような請負契約に基づくときと、建売住宅、中古住宅のような売買契約に基づくときとで、取り扱いは異なります。

1 請負契約に基づくとき、予定された最後の工程まで終了していない「未完成」段階では、注文主は、民法415条に基づき、請負人(建築業者)に対し、損害賠償請求することができます。欠陥が重大であったり、完成時期に遅れるなどして契約目的を達成できなくなるような場合には、契約解除(民法541条)することも可能です。実際には建築業者と協議して、工事をやり直しさせることになることが多いでしょう。
    他方、予定された最後の工程まで一応終了して「完成」した後では、注文主は、民法634条から640条(瑕疵担保責任)に基づいて、請負人に対し、瑕疵修補(修繕工事)を請求することができます。瑕疵修補に代えて、又は瑕疵修補とともに損害賠償(修補費用、逸失利益など)を請求することを選択することもできます。ただし、建物完成後の契約解除はできません。不法行為責任(民法709条)に基づく損害賠償請求も考えられます。

2 次に、売買契約に基づくとき、買主は売主に対し、瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求することができます。その瑕疵のため契約目的を達成できないときは、売買契約を解除することができます(民法570条、566条)。
修補工事を求めたり、補修費用を賠償請求できるかについては、瑕疵担保責任の法的性質論との関係で争いがあり、通説的見解からは認められないこととなります。もっとも、裁判例の中には、瑕疵のない建物を引き渡すとの当事者の合意があったとして、補修費用の請求を認めた例もあります。不法行為に基づく請求の形式をとって、補修費用相当額の賠償を受けることも考えられます。

3 ご質問の各事項は、住む者にとって、毎日、目にすることであり、放置し難い問題かと思います。ただ、施工上の巧拙とか、コンクリートのヘアクラックのような、工事の性質上、不可避な問題であったりなど、必ずしも法的な「瑕疵」とまで言えない場合もあり、そうした場合、業者が任意に応じればよいのですが、そうでないと、法的に瑕疵修補や損害賠償を求めることはできないときもあり得るところです。そもそも、どのような状態が「瑕疵」にあたるのかは、法律的観点のみならず建築的観点からの判断も必要であり、建築士の意見を聞く必要があるのです。

4 このように建築紛争は、法律的、建築的に専門的観点からの検討が必要不可欠ですので、皆様の中にそうした問題を抱えている方がいらっしゃるのであれば、まずは専門家に相談することをお勧めします。

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